何をやってもうまくいかない無職のブログ

人生終わったニートの暇つぶしそれ以上でも以下でもない

神の名前はバンバン使えば盛り上がるって車田先生が教えてくれた

歴史上の偉人や神々を利用した商売方法

 

唐突だが、あなたはFGOを知っているだろうか?

www.fate-go.jp

正式名称はFATE/Grand Order、通称FGO

Fate/stay night(フェイトステイナイト)と言うエロゲを原作とした、スマホ等で遊べるソーシャルゲームである。

dic.nicovideo.jp

 

で、どういった内容なのかと言うと、歴史上の偉人や、神々を召喚して、シナリオを進めて仲良くなって、戦う。そして新しい偉人を召喚して、仲良くなって~(繰り返し)

とまぁそういうゲームである。そしてこのFGOはただ歴史上の偉人を出すだけではなく、萌えキャラ化したり、イケメン化させたりするので、「デリヘル偉人バトル」とかいうクッソ不名誉なあだ名を付けられていたりする。名前は偉人で見た目は萌えキャラなものをみんなが必死に集めるから、そういった蔑称が付いたのだろう。

だが、どうしてFGOが(正確に言えばFate時代からだが)、そのように神や英雄の名前をバンバン出しまくったりしているのかと言われると、別に神を信仰しているとか、逆に馬鹿にしているからだとか、そういう訳ではない。答えは単純であり、ただ神の名前とかを使うとインパクトがあって人気が出て売れるから。そう言った商売上の理由が大きいのだと思われる。

 

古くはリングにかけろの頃から、とりあえず偉人とか神の名前とか出しとけばいいという手法がある。

とても古い漫画だが、ジャンプのバトル漫画には「リングにかけろ」と言う作品(1977~1981)がある。これは今のジャンプのバトル漫画へ与えた影響がかなり大きい、かなり歴史的な価値のある漫画なのだが、現時点では同作者がこの後に連載した、「聖闘士星矢」の方が圧倒的に有名なので、「リングにかけろ」自体はそれほど知名度は高くない。

この「リングにかけろ」そして「聖闘士星矢」の作者である車田正美先生は、とにかくバトルの盛り上げ方が上手かった。そしてインフレの度合いも見事だった。

リングにかけろ」と言う作品は、一応ボクシング漫画である。つまりスポーツ漫画であるため、バトルとは関係ないように思える。だが途中から必殺技で相手が天井まで吹っ飛んだり、もう完全にボクシングを超越した何かになって、バトル漫画へと進化する。

まぁバトルの内容は別にいい。今回私が注目したのは、新しいライバルキャラが出たとき、もう偉人だろうが神だろうがどんどんぶち込んだことだ。

リングにかけろは最初は、まず日本一になる事だった。日本一になるために日本各地から集まってきたライバルたちと戦い、勝利する。まぁここまでは割とよくある話だ。だが日本一になったあと、世界の強豪と戦う時になった時、車田先生はすさまじい事を思いつく。フランス代表はナポレオンだったり、ドイツ代表にはヒムラーゲッペルスゲーリングとかいうナチス幹部と同名のキャラがいたり、もはややりたい放題である。とりあえず偉人の名前を出せば強キャラ感もでるし盛り上がるだろうという、娯楽の真理を付いた発想である。そしてギリシャ代表になれば、ゼウス、ポセイドン、ハーデスなど神と同名のリングネームのヤバい奴らが登場してくる。。更にギリシャ神話の神々を倒した後の敵は、ジーザス・クライスト、つまりイエスキリストの英語読みである。つまり主人公はナポレオンと戦い、ナチスと戦い、ゼウスと戦い、最後にはキリストと戦うというすさまじいインフレ具合を起こしている。

 

やっぱり神が出てくるとどうしても盛り上がってしまう人間の心理

この「リングにかけろ」もそうだが、その後の「聖闘士星矢」にしてもそうだが、神の名前とかを漫画の中で散りばめる手法は、物語を熱くさせるのに非常に有効である。

単純に外国の凄い敵とかよりも、神の名前の敵(もしくは神自身)と戦う方が見ていてワクワクするのが人の性である。まぁこの手法はリングにかけろが最初と言う訳でもないとは思うが、とにかく格の強さを示したいときやスケールを大きくしたいときは神を使うのが便利なのである。

また神そのものを出したりしなくても、技名等に使ったりしてもよい。ナルトでも須佐能乎(スサノオ)や天照と言った技で、なんかすごそうな技だという事が名前だけでも伝わってくるものだ。

 

やっぱり神は使い勝手がいい

つまりFGOが神やら英雄やらを召喚しまくっているのは、物語の手法としては間違ってもなんでもなく、むしろ王道に近いような気さえしてくる。物語を盛り上げるのに神を拝借するのは、漫画という媒体に限らずとも、古来からギリシャの演劇やオペラなどで使われてきた手法だったりする。そもそもFGOが悪目立ちするだけで、同じソシャゲである「パズドラ」や「モンスト」も神々を出したりしている。それらも独自のキャラ付けやら能力やら自由に作っている。

だから有名な神を使ったりすることは別に悪いことではない。面白い物語を作る時の、単なる手法の一つに過ぎない。うまく使いこなすことが出来れば、物語のいいエッセンスになるのではないかと私は思う。